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幸せの台ふきん

昼下がり。
彼は役所にやってきた。

お祭りのような賑わいに、ついつい体が踊りだす。
どうやらバザーのようだ。
工芸品やお菓子が棚に並ぶ。

何やら刺繍つきの可愛い布が売っている。
『台ふきん』しかも100円。

彼は思い出した。
自宅のふきんが寿命を全うされたことを。
心をわしづかみにする布を買うことに。

はい100円。

ぶっきらぼうな声に諭吉を差し出す。
意地悪ではなく、小銭をこれから沢山使うから。

何やらお釣りの処理が遅い。
何気なく店員を見回すと、どうやら障害のある方々の企画だったようだ。
先日、性格悪いのにリハビリを頑張る療法士が、
脳性麻痺の男子が自分を大いに笑わせてくれたって話をしてたのを思い出した。
100円玉があったのに10000円札を出したことに反省した、5秒くらい。

どうもありがとう。

相変わらずぶっきらぼうな渡し方だったけど、くしゃっとした全力の笑顔に癒された。



刺繍の入った台ふきんにはこんなお手紙が同封されていた。


まごころをお届けいたします。
この製品は、〇〇福祉作業所で、
ひとつひとつ丹念に心を込めて作ったものです。
この製品をお使いいただくことにより、
お互いの心と心が結ばれれば、
すてきなことだと思います。


あれ、目から水が。

「帰ってきたドラえもん」を観たわけでもないのに。

彼は温かい心を胸に抱きながら、再び仕事に臨みました、とさ。



1割ウソで9割ホント、
時間にしたら3分足らず、
気ままな午後の、物語。

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